その海は、まるで世界の全てが青に染まったかのようだった。雲一つない空と、透き通るほどの浅瀬が広がるその光景は、現実離れした美しさを持っていた。白い帆を揚げたヨットが静かに揺れ、二人の人影が水の中を歩いている。
エマとリースは、この場所に辿り着くまでの旅の疲れを忘れ、無言でその景色に見入っていた。エマの鮮やかなピンクのドレスが、水面に映る青と絶妙なコントラストを作り出し、リースはその姿に微笑みを浮かべる。
「ここ、本当に伝説通りの場所なのかな?」エマが声を上げた。
「見た目は完璧に一致してる。でも、本当にあの秘密が隠されているかは…まだ分からない。」リースは軽く肩をすくめた。
この海域には古くからの伝説がある。遥か昔、この場所には失われた文明が存在し、彼らが残した宝物が海底に眠っているという噂だ。だが、その正体を知る者はいない。
遠くのヨットを見つめながら、リースはゆっくりとその船の方へ歩き出した。船には、さらなる謎を解くための道具が全て詰まっている。そして、この旅がただの観光ではなく、二人にとって運命を変える冒険になることを、リースは確信していた。